年明け早々、地域リーグ界隈に衝撃的なニュースが流れました。

日刊スポーツ:岡山退団DF岩政大樹が関東1部へ移籍 兼任コーチ

J2ファジアーノ岡山から東京Uへ元日本代表・岩政大樹選手加入のニュース。

それまで地域リーグに興味の無かった多くのサッカーファンがこのカテゴリーに注目したのではないでしょうか。

 

東京ユナイテッドFCとはどんなチームなのか。

2017シーズン、同じ関東リーグを戦う東京23FCと比較をしてみました。

地域リーグって何だろう?と思った方、東京のサッカークラブが気になる方、

これから東京のサッカークラブを応援してみよう!と思ってる方の判断材料になれば幸いです。

この2クラブ、あまりにも対照的なので人によって好みがハッキリ分かれるのではないでしょうか?!

関東リーグはほとんどのクラブが入場無料なので、気軽に楽しめます!

 

チーム名 東京23FC 東京ユナイテッドFC
クラブ創設 2003年

※2003~2009年は東京23SC

2015年

※2015~2016年はLB-BRB TOKYO

クラブの成り立ち 『東京23区にはJクラブがないから、俺らで作ろうぜ』っていうノリ 東京大学OBと慶應大学OBが手を結んだ
目指すもの 都民一人ひとりや都内中小企業の支援による、地域密着型のクラブ 政界も財界も官界までも熱狂させて東京を一つにするようなチーム
監督 バルサ信者、クライフの追っかけ 現役投資銀行マン
選手構成 全国各地の普通の大学卒 東大慶應中心の超インテリ
J経験者の意識 引退後のキャリアを模索しながらも、現役のアスリートとして戦う「デュアルキャリア」 アスリートとして現役引退後の「セカンドキャリア」としての活躍の場
主なスポンサー 地域の中小企業 売上高1000億円超の大企業
主なスタジアム 江戸川区陸上競技場 フクダ電子アリーナ
近年のタイトル 関東サッカーリーグ1部:2016年

全国社会人サッカー選手権大会:2011年

東京カップ:2012、2014、2015年

KSL市原カップ:2012年

関東サッカーリーグ2部:2016年

関東社会人サッカー大会:2015年

対戦成績 1勝0敗 0勝1敗
後援会会費※ 5000円~ 10000円~

※「ファンクラブ会費」としていましたが、両クラブとも「後援会」の表現がより近いため、修正しました(2017/1/9)

Contents

クラブの成り立ち

東京23FC:『東京23区にはJクラブがないから、俺らで作ろうぜ』っていうノリ

スポーツナビ:東京23区にもJクラブを!関東1部クラブの壮大な試み

 このクラブが産声を挙げたのは03年。今からわずか13年前の話だ。設立したのは現GMの原野大輝、当時はまだ25歳の若者であった。原野は01年、JFLに昇格したばかりの佐川急便東京SCで、けがのため現役を引退。その後、関連会社の佐川コンピューターシステムに転籍となるのだが、サッカーへの想いは断ちがたく、佐川を退団した選手たちの受け皿として設立したのが東京23サッカークラブであった。以下、原野の証言。

「最初は『佐川東京23SC』という名前で活動しようとしたんです。会社とは関係ないクラブだけど、上(のカテゴリー)に上がれば会社の力を借りることもあるかなと思って。そしたら会社から『ウチは関係ないから』ということで、結局『佐川』を取って東京23SCになりました。当初から『東京23区にはJクラブがないから、俺らで作ろうぜ』っていうノリでしたね。具体的な計画やビジョンはなかったですが(笑)」

東京ユナイテッドFC:東京大学OBと慶應大学OBが手を結んだ

日経テクノロジー:大学と地域を融合、東京の真ん中にプロサッカークラブを!

――LB-BRBの画期的なところは、日本でも珍しい「大学コミュニティー×地域コミュニティー」という構想ですよね。

福田 そこが起点です。まずは学校コミュニティーでコアなグループを形成し、そこに立脚してクラブをつくり、そこから地域に根差したものにしていけばいい。Jリーグのオリジナル10(Jリーグ発足時に加盟した10クラブ)にしたって、もともとは実業団チームで、そこから地域に根付いていったわけじゃないですか。

――海外では、大学コミュニティー発のプロチームもありますよね。

福田 チリやメキシコには大学ルーツの強豪プロサッカークラブが多数ありますし、欧州でも高校のOBチームから強豪になったチームがあると聞いたことがあります。ルーツがどういうものでも、最終的には地域に根差し、地域のクラブになっていけばいいのではないでしょうか。日本では、早・慶・東大は幅広い分野で豊富な人材を輩出していますし、そのコミュニティーの叡智を全てサッカーに取り込めないかと思いました。

 

東京23FCはノリでスタートしたため、このカテゴリーに上がるまで大変な苦労をしました。

江戸川区の協力を取り付けたのもつい最近の話です。地元の企業と熱心なファン・サポーターによって支えられています。

 

一方、東京ユナイテッドFCは既存の東大OBクラブと慶應OBクラブの合流でスタート。

その豊富な人脈をバックに、即座に文京区長や大企業の協力を取り付けました。

潜在的ポテンシャルは岡田武史オーナーのFC今治以上のものを持っています。

目指すもの

  • 東京23FC:都民一人ひとりや都内中小企業の支援による、地域密着型のクラブ

目指すべきもの

都民の、都民による、都民のためのフットボールクラブ

都民一人ひとりや都内中小企業の支援による、地域密着型のクラブを目指します。

東京という世界に誇る都市から、世界に通用するフットボールクラブを目指します。

高い人間力を備えた一流の社会人によるフットボールクラブを目指します。

  • 東京ユナイテッドFC:政界も財界も官界までも熱狂させて東京を一つにするようなチーム

チーム概要

2016年シーズンまでは、チームのルーツを示すべく東京大学運動会ア式蹴球部OBクラブ「東大LB」と慶應義塾体育会ソッカー部OBクラブ「慶應BRB」の両者をつなぎ合わせた「LB-BRB TOKYO」というチーム名称で活動してまいりました。しかし、我々は、座学からの学びとスポーツからの学びを融合した人材を輩出し続けることをその使命とし、また、学校部活の枠を越え、学校コミュニティと地域コミュニティとの融合を図り、さらに将来的には、政界も財界も官界までも熱狂させて東京を一つにするようなチームになることを目指しております。
多様性に溢れる国際都市【TOKYO】を、スポーツを通じて一つにするとともに、世界に向けて【TOKYO】ブランドを発信すべく『TOKYO UNITED FC』とチーム名称を変更いたしました。

監督

  • 東京23FC:バルサ信者、クライフの追っかけ

羽中田昌監督は高校時代は韮崎高校で活躍。山梨県庁で働くも、クライフを追いかけてスペインへ。

スカパーの解説でもお馴染み。(バルサに関係ない試合でもバルサバルサとうるさいそうです)

サッカーを愛して止まないあの人のゆめのはなし:No.139羽中田昌(東京23FC監督)

クライフを見て衝撃を受け、こんなことができるのかと夢を与えてもらった

クライフのようになりたい、W杯に自分も出たいという夢を持って夢中でサッカーボールを追いかけ、本当にサッカー一色の生活でした。小学校5年と6年の時、読売ランドで行われた全国大会の優秀選手に2年連続で選んでいただき、中学校時代はナショナルトレセンにも呼んでもらうなど、評価していただく機会が続き、「いつかヨーロッパに行ってサッカーをやろう」「プロ選手になろう」と考え始めていました。プロになって「クライフのような選手になる」とも夢見ていましたね。ヨーロッパの緑のピッチの上でクライフと同じ空気を吸いながらプレーする、みたいな夢を。

もちろん、美しく勝利せよというクライフイズムは常に目標。

なお、現在東京23FCの監督としてはバルサスタイルと決別しているとのことです。

宇都宮徹壱WM:「バルサスタイル」と決別した理由 羽中田昌(東京23FC監督)インタビュー<1/2>

  • 東京ユナイテッドFC:現役投資銀行マン

福田雅監督はみずほ証券で働く現役投資銀行マン。日本サッカー協会の非常勤監事も務める。

日経テクノロジー:「東京ユナイテッドFC」始動、現役投資銀行マンの監督が全貌を語る(前編)

――福田さんはチームの代表であると同時に監督でもありますが、会社勤めをしながら、夜と週末に監督業という形だったのでしょうか。

福田 そうです。そのスタイルは今も変わりません。投資銀行に勤務する傍らクラブを運営しています。加えて、2016年4月から日本サッカー協会(JFA)の非常勤の監事を勤めています。

 

選手構成

東京23FCは割と普通です。大卒選手が21人。主に関東地方の大学から集まっています。

Jリーグ経験者の吉田正樹、河内勇太や関東リーグ4年連続ベストイレブンの山本恭平など実力者が集います。

現在はJリーグに活躍の場を移した堀田秀平(愛媛)、伊藤竜司(藤枝)、鈴木淳(沼津)らもかつて東京23FCでプレーしました。

  • 東京ユナイテッドFC:東大慶應中心の超インテリ(人物相関図

 

特徴的なのは東京ユナイテッドFCです。設立の経緯から、慶應&東大だけで18名の超インテリ揃い。

多くのクラブで行われている、自由参加のセレクションは行われないようです。

サッカーの能力以外のことも重要視する狙いがあるのではないでしょうか。

今後のクラブ発展に伴い、出身大の構成がどうなるのかが気になりますね。

 

東京23FC 東京ユナイテッドFC
3名:流通経済大

2名:専修大、神奈川大、桐蔭横浜大

1名:駒澤大、東京国際大、法政大、尚美学園大、

中央学院大、日本体育大、国士舘大、亜細亜大、

芦屋大、福岡大、福岡教育大、山梨学院大

11名:慶応大

7名:東京大

4名:中央大

3名:筑波大

1名:早稲田大ほか

J経験者の意識

  • 東京23FC:引退後のキャリアを模索しながらも、現役のアスリートとして戦う「デュアルキャリア」

デュアルキャリアについては、説明だけで一記事になってしまうので河内選手のブログを見てください。

蹴る、寝る、食べる:セカンドキャリア?デュアルキャリア?

選手名(入団年) 前所属(最終J所属) リリース記事(退団) 備考
伊藤竜司(2014) 藤枝MYFC 退団選手のお知らせ 藤枝MYFCへ移籍
河内勇太(2015) SV Wilhelmshaven(北九州) 北九州が河内との契約満了を発表
堀田秀平(2015) ソンクラーユナイテッド(札幌) コンサドーレ札幌が6名の契約満了選手を発表 ブラウブリッツ秋田へ移籍
加部未蘭(2016) 福岡大学(北九州) 甲府がFW加部未蘭の退団を発表、福岡大入学へ 東京23FCで現役引退
板野圭竜(2017) ファジアーノ岡山 板野圭竜選手 東京23FCへ完全移籍のお知らせ

東京23FCの選手は、すべての選手が「現役」としてプレーをしています。

Jクラブ退団時も「退団」「移籍」と表現されています。

堀田選手や伊藤選手はその後Jクラブに再挑戦の道を選びました。

加部未蘭選手は東京23FCで「現役」を引退。セカンドキャリアの道を選びました。

 

  • 東京ユナイテッドFC:アスリートとして現役引退後の「セカンドキャリア」としての活躍の場
選手名(入団年) 前所属(最終J所属) リリース記事(退団) 備考
下村東美(2015) ギラヴァンツ北九州 下村 東美 選手 現役引退のお知らせ
長谷川太郎(2015) ムハンメダンFC(北九州) 長谷川太郎 引退試合のお知らせ LB-BRB TOKYO所属中に引退試合を実施
黄大俊(2015) ザスパクサツ群馬 J2群馬 26歳DF黄が現役引退「我がサッカー人生に悔いなき」
黄大城(2016) 京都サンガ 黄大城選手 現役引退のお知らせ
杉山新(2016) FC岐阜 杉山 新選手、現役引退のお知らせ
岩政大樹(2017) ファジアーノ岡山 岡山退団DF岩政大樹が関東1部へ移籍 兼任コーチ

東京ユナイテッドFCも東京23FCと同様にJリーグ経験者を入団させているのだから、同じではないか

と疑問に思われる方もいると思いますが、実は全然違います。

東京ユナイテッドFCのJリーグ経験者は、多くが「現役引退」を選んだ選手達です。

アスリートとしての現役を追求することはありませんが、

プロだった時代にはできなかったかもしれない「サッカーを楽しむ」ために

東京ユナイテッドFCでサッカーを続けているのではないでしょうか。

岩政選手も「コーチ兼任」。昨年までのトップのコンディションを維持しているかは未知数です。

長谷川太郎オフィシャルブログ:LB-BRB関東リーグ昇格

「引退したんでしょ?」

よく周りから言われた言葉…

もちろん選手として夢を追う事はなくなりましたが、サッカー人として貢献できる事はしようと心に決めました。

黄大城選手も東京ユナイテッドFCでのプレーは「現役」ではないとの認識と思われます。

twitterの背景画像やアイコンは京都時代のもので、プロフィール欄にもLB-BRB/東京Uのクラブ名はありません。

 

主なスポンサー

ユニフォームスポンサーの会社を比較してみました。

東京23FCは地域の中小企業、東京ユナイテッドFCは大企業がスポンサーです。

従業員数、売上高共に数十倍は違うのではないでしょうか。。

いや、このカテゴリーでは東京23FCは普通なんですよ。ユナイテッドが規格外なんですよ!

  • 東京23FC
スポンサー名 備考
日本土地建物(胸) 従業員数25名
パン・アキモト(背) 従業員数60名
山秀商事(パンツ) 従業員数50名
  • 東京ユナイテッドFC
スポンサー名 備考
フクダ電子(胸) 売上高1172億円/従業員数3409名(グループ全体)
PwC(背) 売上高340億USD/従業員数19万5000名(全世界で)
文化シヤッター(パンツ) 売上高1431億円/従業員数3940名(グループ全体)

 

主なスタジアム

東京23FCは江戸川区と提携し、練習場・ホームスタジアムを江戸川区に構えることができました。

2016シーズンは4試合を開催。つくばFC戦では地域リーグでは最大クラスの2600人が集まりました。

多彩なイベント、スタジアムグルメなど訪れる観客を楽しませる空間です。

 

東京ユナイテッドFCは皆さんご存知フクダ電子アリーナです。スポンサーパワー!

2016シーズンは2試合を開催。Jリーグでも使用されているあのスタジアムに無料で入れます!

座席は選びたい放題!メインスタンドの高額なシートにも無料で座れるチャンス!

対戦成績

東京23FCの1勝0敗

2015年東京カップ決勝で東京23FCとLB-BRB(当時)の対戦がありました。

この時は両チームに力の差があったため、危なげなく東京23FCが勝利。

新貝亮太のフリーキック、GK内田がボール持ちすぎ(14秒も持ってた)で

エリア内から間接FKなどといったシーンが印象に残ってます。

後援会会費

東京23FC 東京ユナイテッドFC
金額 1口(5000円) 3口(15000円)以上 5口(2万5000円)以上 1口(1万円)
メールマガジン
タオルマフラー いずれか1つ
トートバッグ
キャップ
Tシャツ
イベント優先参加
ポスター(サイン入り)
特別席観戦
駐車場優先駐車
グッズ割引
オフィシャルサイトに名前掲載

Jリーグクラブのファンクラブ年会費は2000円~5000円がほとんどですが、

東京ユナイテッドFCはなんと1万円から!ファン層はお金持ちの方が多いと思われます。

両クラブとも、タオルマフラーとメールマガジンが送られてきます。

東京23FCの方がもらえる特典は多いようです。

 

最後に繰り返しますが、入場は無料!気軽に遊びに来てください!